わがままなお嬢様
咲来は普通の公務員の父と専業主婦の母との間に産まれた。
両親との出会いは今から23年前になる。
安定した職業の父親と幼稚園や学校から帰宅すれば家にいる母親。
そんな安心した環境の中で咲来は両親から愛情をたくさんもらって育って来た。
咲来にとって両親はずっとそばにいてくれるのが当たり前の存在だったのだ。
中学生のころには彼氏と出会いそれなりの付き合いを経験した。
それでもイベントは両親と過ごすことが咲来の家では当たり前だった。
咲来のバースデーや両親のバースデー、
それにクリスマスもお正月もいつも家族と一緒だった。
彼氏にしてみれば少し物足りなかったに違いない。
高校生になっても彼氏と出会い付き合ってもそのスタイルは変わらなかった。
咲来がどれほど家族を大切に思っていたが分かる。
両親もひとり娘の咲来を溺愛していたのだ。
そんな風に愛情に包まれて育った咲来には多少の欠点があった。
彼氏と出会い付き合うようになっても
何かをしてもらうことが当たり前のように感じてしまうのだ。
愛されることも当たり前。
一緒にいたいと思ったときにはそばにいてくれるのが当たり前。
悪く言えばわがままなお嬢様タイプと言うところだろうか。
大人になればなるほどそれでは器用な恋愛は出来ない。
お互いの気持ちを尊重し合わなければ
他人とは家族のような関係を続けることは難しいからだ。
学生時代は結局そんなことが理由で
彼氏と出会い付き合ってもすぐに破局が訪れていた咲来だった。